大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2354号 判決

本件控訴の趣意は、弁護人の控訴趣意書記載のとおりである。これに対し当裁判所は左の如く判断する。

控訴趣意第一点について。被告人が法定の除外事由なく県知事の認可を受けずして原判示被告人所有家屋一棟の一部を賃貸し家賃の額を契約し受領したその相手方につき、当初起訴状においては三上フミ子外二名と指摘していたにかかわらず、昭和二十六年三月二十日の原審第一回公判において、検察官は三上文子の外佐野フジ子、自称春江、自称愛子、上条敬子及び二月トシ子の五名であると訴因の変更を請求し、裁判所はこれを許可し原審判決においてもその変更された訴因のとおり認定していることは記録上明からである。そして本件のように県知事の認可なくして家賃の額を契約するという罪は、特別の事情のない限り賃借人の異る毎に別個の犯罪が成立するものと解すべきところ、前記のように賃借人の数が訴因変更により三名増加したにかかわらず、なお且つこの訴因の変更が公訴事実の同一性を害しない範囲内で行われたという点について、記録上これを肯認するに足る証拠が発見できないから結局原審に起訴されない事実につき審判を行うという違法をおかしたものといわざるを得ない。従つて原判決はこの点において破棄を免れない。論旨は理由がある。

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